2015年02月13日
ストレッチ
「カラダ柔らかくしたいです。」
「開脚でベターってなりたい。」
生徒自身の想いも、
「うちの子、硬くて・・」
「どうしたら柔らかくなるでしょうか・・」
応援してくれる親御さんからの言葉も、
日々、たくさんいただきます。
私は、
神様にも魔法使いにもなれなくて、
一発でエイっ!と
人のカラダを変えることはできません。
伝えて、
見せて、
指摘し、
触れて、
見守り、
認めて、
待つ。
日々が、この繰り返しです。
生徒たちにはそれぞれ、「タイプ」があって、
・言われるだけでは、わからない。
・やって見せてもらうと、わかりやすい。
・説明がないと、納得できない。
・説明をごちゃごちゃされると困る。
「感じ方」は、人それぞれです。
そんな、いろんな感じ方を持つ生徒たちが
ひとつのクラスでやっていくわけです。
それが、クラス指導。
グループ指導です。
・ごちゃごちゃ言うより、スッとやって見せる
・カラダに触れながら指導する
・カラダの構造からやり方までを、システマティックに説明する
バレエの知識だけでは、とてもクラスはやっていけません。
一方的な伝え方や私だけの視点では、何も伝わらない。
ひとつの物事に対して、
どれだけの断面を展開していけるか
視点を増やせるか
これが私の、課題なのです。
つい先日、あるお母さまから
「うちの子は硬くて、毎日やっても柔らかくならなくて・・」
と、お話しがありました。
毎日、夜、ストレッチをしているとのこと。
ストレッチの時間を設けているなんて、素晴らしいよ!
よくよく話を聞いていったら、
ストレッチの時は、毎晩ママがカラダを押してくれているということでした。
よくね、昔はグイグイ押してましたよね。
ほら、部活とか体育とか。
体重全部かけちゃったりして

先輩が力ずくでグイグイ・・

何を隠そう、私も昭和のスパルタ世代で育ちましたので

そういう光景が脳裏に焼き付いているのはよくわかります。
でもね、ママたち。
ストレッチは押さないでね

押すにしても、「押し方」があります。
どうしてやたらに押してほしくないか、お話ししておきます。
なかなか普段、お母さまたちにお伝えする機会もないのでね。
まず、カラダの柔軟性は、関節の動く範囲(可動域)で決まります。

無理矢理押されると、当然痛くて、
カラダにギュっと力が入ります。
力が入るっていうことは、関節にブレーキをかけてしまうのと同じことです。
力が入っているカラダをグイグイ押すということは、
「ブレーキをかけたままアクセルを踏む」
このくらいナンセンスなことなのです。
だからすぐに、このやり方はやめてください。
「筋肉」は、感じてほしい。
本当にただ、感じるだけでいい。
あ~、伸びていて気持ちいいな。
ちょっと痛いけど、気持ちいいな。
こういうの痛気持ちいいっていうのかな。
今日は何かつっぱるな。
今日はいつもよりいい感じ。
そんなふうに、
自分の筋肉を、筋肉の存在を、ただただ感じてほしいです。
ストレッチとは、
確認作業なのです。
自分の今のカラダを知る、ということ。
だから、いつも生徒たちには言ってますが
「何も感じない」というのは、ストレッチになっていないので論外

関節の使い方、
骨格の持っていき方は、
私がクラスの中で指導します。
習得の速度は、
本当に人それぞれです。
そこは、
早いからいい、遅いから悪い
ではないので、
人と比較しなくていいです。
比較しないでください。
確かに、発展途上の段階では
ストレッチは「努力」の域にあると思います。
でも、その域を超えると
ストレッチは「当たり前のもの」「なくてはならないもの」に変わっていきます。
その域に達すると




こうなります

大人の強みは、
誰かに「やりなさい」と言われたからやっているのではない、という部分です。
誰かに押されてやってもいないはずです。
ひとり黙々と、やっていると思います。
あまりやいやい言わず、
いい意味で、放っておくのもアリかと思います。









「勉強しなさい、勉強しなさい」と言ってもやらなくて、
言われたからしょうがなくやる勉強は、身になりませんよね。
それと同じです。
あ、語弊のないよう加えます。
「監督下のもと、放っておく」のは全然アリです。
野放しはダメね(笑)。
「言われない=大丈夫」
子どもの思考回路はこうなりがちですが

そんなのは、とんだ勘違いです。
言うべきタイミングでガツンと言うのは、私の任務ですので

そのへんはお任せください(笑)。